Slow Ride で行きましょう。 ~2nd Stage~

人生楽ありゃ苦はないさ ~ Enjoy my life ~    Since 2011.11/11

「雨・・雨・・雨 凍える夏の箱根ツーリング物語」 ~ 第三話 ~

雨も上がり、さあこれからと言う矢先。
突然、後続の2台が消えた!

「トラブルか!」

Uターンして、少し走ると、路肩に2台が止まっていた。
見たところ、二人及び2台に外傷はなく、転倒などではないようだ。
まずは一安心である。
ウルフOyajiが Enfield のスロットル辺りを覗き込んでいる。
どうもトラブルは Enfield のようだ。
ここまで、旧車と言っても結構イケるじゃないかと感心していた Enfield だが、ついにトラブルか?

「どうした?」

ウルフOyajiからの返事は、

「スロットルワイヤーが切れた!」

「えっ!・・・」

それは、常識的に考えれば、スロットルワイヤーと言う、パーツ交換の必要性を伴うトラブルであった。
だが、ここで諦めては「レストアOyaji」の名が廃る。
いや、そんなことより「諦める」=「ツーリングの中止」を意味するのである。
それだけは何としても避けなければいけない。
まさか、hisaさんと Enfield を置いてツーリングを続けるなどと言う事は、誰が考えても有り得ない事だ。
ともかく先ずはスロットルホルダーを外す事にした。
ところが、強固に締められたネジはチャチな車載ドライバーではビクともしないのであった。

「何でこんなに締めたんだ!」

流石にこのままではどうにもならない。
怒りと共に、諦めのムードが漂う。
と、思った時、ふとある事を思い出した。
先週、我Enfield を整備した時、ドライバーを工具箱にしまい忘れ、取りあえず常備バッグの中に入れたような気が・・・。
祈るような気持ちで、バッグの中を探った。
すると何か長い物が手に触れた。

「あった~!」

車載ドライバーとは比較にならない立派なKTC製ドライバーである。
普段はこんな邪魔な物をバッグに入れる事はない。
実に運が良かったのである。
早速ネジに当て、力を込めた。

「グッ・・・」

か、固い!

「こいつは手強」

グリップをしっかりと握りなおし、渾身の力でドライバーを回した。

「パキッ!」

心地よい音と共に、強固に抵抗していたネジは白旗を上げたのであった。

何とかホルダーは取り外したものの、これからが試案所である。
ワイヤーを見ると、幸いにも切れたのはタイコの根本であった。
そこで、アウターワイヤーのエンドキャップを取れたタイコの代用にして、何とか走れる状態にまで修復ができた。
レストアOyaji の面目躍如である。
だが、このままでは永くは持たない。
そこで、市内へ戻りホームセンターを探すことにした。
さあホームセンターはどこだ、と戻りはじめると、正面に見覚えのある看板が・・・。

CAINZ HOME ! 

何と、目と鼻の先にホームセンターが!
まるで、ここでのトラブルを予想していたかのようだ。
運はまだOyaji達を見放していなかった。

早速ホームセンターで使えそうな材料と工具を仕入れ、どうにかスロットルが使えるように処置した。
完璧ではないが、ツーリング中くらは持つであろう。(実際にはそうはいかなかったが・・・)

Enfield は旧車らしくスロットルは1本引きである。↓

縮小画像P7210602

3本締めのタイラップが痛々しいが、これで何とかツーリングは続けられそうだ。
Enfield に限らず、古い物は壊れる。
だが、構造がシンプルで何とかなるのがいいところだ。
これがきっちりと作りこまれた現代の機器ならこうはいかないだろう。

一息つきたいところだが、そんな余裕もなく早々に出発である。
負傷した Enfield を気遣いながらも、再び152号線を目指したのであった。
今思うと、これほどまでに山道ルートに拘る必要があったのだろうか。
その時、私は何を考えていたのだろうか。
頭の記憶ファイルを検索するが見つからない。
人は、都合の悪い事は直ぐにファイルから消去してしまうようだ。(私だけか?)

折しも無情の雨が再び降り始める。

私は、時間の遅れを取り戻そうと Enfield のアクセルを大きく捻った。

「ダダダダ・・・」

いつもは穏やかなエンジンが唸りをあげ、リヤタイヤは濡れた路面を力強く蹴った。

だが、この先には、今日のスケジュールを大きく狂わす事態が待ち受けていたのであった。

それは国道152号の標識を確認してから約10km、何となく感じた周りの異変と共に始まった。
道幅は狭まりどんどん山奥へ入っていく。

「何か変だ!」

以前走った記憶では、こんな感じではなっかたはずだ。
だが、時折私を惑わすように「国道152」の標識が現れる。

「やはりこれでいいのか?」

NAVIも前進を示している。
ともかく先に進む。
更に森は深くなり、雨と深い霧で辺りは異様な雰囲気だ。
走っても走ってもこの異様な世界から根け出せない。

「ここはどこだ?」

もしかすると、私は谷にでも転落して既にこの世から離れ、 冥土への道 をさまよっているのだろうか?
もし、この先に光り輝くものが見えてきたらキマリだな・・・。
とすると、後ろについている二人も道連れか・・・すまん。

だが、幸いな事に光は見えてこなかった。

などと、妄想していたら再び後ろがいない事に気づいた。
「ひょっとして Enfield か?」
戻ると、やはり Enfield のスロットルワイヤーがまたもトラブっていた。

幻想的な山中で再び修復作業を行う。↓

縮小画像P7210604

暫しワイヤーと格闘、今回も何とか修復できた。

ここで現在位置の確認をすることに。

私は、      「 YUPITERU YERA YPL502si 」 安価なポータブルNAVI。
hisaさん      「GARMIN OREGON 550TC」 アウトドア用NAVIの元祖。
ウルフOyaji   「 iPhone 4S 」 今更説明は不要。

三人三様の機器で位置を検索する。
そして結論は・・・。

「よく分からん」

それだけの機器で何故?と思うだろうが、ともかく分からないのである。
それにしても、この辺りは凄いところだ。
稀に出会うのはハンター!くらいである。
だが、この異様な雰囲気が逆にOyajiの「アドベンチャースピリッツ」に火を付けた。

「 この先はどうなってるんだ? 行ける所まで行ってやろう! 」

霧に包まれた、超タイトコーナーが連続する、山道をひた走った。
因みに、これでもれっきとした天下の国道である。
「地蔵峠」と書かれた標識を通り越し更に突き進んだ。
すると、再び「地蔵峠」の標識が・・・。

「え?もしかして」

そうである、峠を一周してきたのだった!

「そんな馬鹿な!」

地図に記された細い一本の実線。

「この道は何処なんだ?」

必死にその細い実線の道を探すが、そんな道はどこにも存在しなかった。

「万事休す」 である。

こうなっては打つ手がない。
苦渋の決断で、来た道を引き返す事に。

「何てことだ!」

晴れていれば楽しそうな下りのワインディングは、失意の心には辛い試練であった。
まさに、敗北して撤退する歩兵気分である。(もっとも、戦争には行った事がないが・・・。)

人里まで戻るのに約35km、山中を1時間以上迷走した。(地図の赤いコース)
途中、ガス補給をしたが、時刻はすでに午後1時を半分ほどを過ぎていた。
スタンドの親父さんに、「これから箱根へ行く」と話すと、怪訝な顔をされてしまった。
当然である、しかも「下道で」とは、とても言えなかった。

これが、今回の幻想コースだ。↓ (クリックで拡大)

縮小画像img-725094358-0001
緑が、予定のコース。  赤が、迷走した山道。  ×が enfield のスロットルトラブル発生地点。
茶が、トラブル後のコース。  青が、迷走後のコース。

こうして見ると、全く逆方向へ進んでいた事が分かる。
実は、私はNAVIだけでは信用できず、詳細のコース地図も用意し、タンクバッグにセットしていた。
しかし、雨でレインカバーをした為、ページの入替が面倒で見ていなかったのである。
また、以前走ったという記憶が152号線さえ走っていれば間違いないという意識があった。

「NAVIの指示」 「以前の記憶」 「道路標識」 「焦り」 この複合要因が今回のミスコースを生んでしまった。

そして、度重なるアクシデント発生で、遂に152号線の走行を諦め、153号の駒ヶ根方面へ軌道修正したのだった。
更に、途中で Enfield のスロットルがまたまたトラブルを起こした。
いくら応急とはいえ変だと思い、カシメに使った金具を良く見ると、ステンだと思っていた素材は柔らかいアルミだった。
これでは、抜けるわけである。
今度こそはと、その事を踏まえ修復した。
その結果、これ以降、帰るまでスロットルのトラブルは起きなかった。

そして少し落ち着くと、急激に空腹感が襲ってきた。
そういえば、朝のマック以降何も食べていなかったのである。
ウルフOyajiの「ラーメン!」の申し出も、気持ちは理解できるが時間的に「却下!」。
駒ヶ根市内のコンビニ駐車場で、虚しくおにぎりを胃に詰め込むのが精一杯だった。

何も言わなくても、画像から二人の疲れきった心境が伺えるだろう。↓

縮小画像P7210605-2

この時、時刻は午後3時。
順調なら富士五湖辺りのはずだった。
しかし、現実は駒ヶ根市内、ゴールの箱根は遥か先である。

「どうする?」

「どうするんだ~! オレ!」



~ つづく ~

Comment

mappy  

No title

 霧 冥土えの道・・ 頭の中で 紅の豚 の あの シーンが 浮かびましたよ!  飯田市の近くにも 地蔵峠 が有るんですね 私は長野市の地蔵峠に有る スポーツランド信州でレースをしていたので 長野まで北上したのかと?・・・次回は 宿に到着するのか? あわてない あわてない・・

2012/07/27 (Fri) 22:37 | EDIT | REPLY |  

enfi oyaji  

(返信)

mappyさん。
コメントありがとうございます。
次回で、宿にたどり着けるか・・・。
それは次回のお楽しみに!

2012/07/27 (Fri) 23:18 | EDIT | REPLY |  

hisa  

No title

こんにちは(^^)

文章うまいですねぇ~。
読みながら追体験しております。(^^♪

箱根ツーシリーズは10話くらいまでいくのではないでしょうか?
私の方は終了しましたので今後の展開を楽しみにしてます(*´艸`)

うちの姫は8/11くらいに修理持ち込みの予定です。
まともに乗れるようになるのは、その後になってしまうと思います(--〆)

2012/07/28 (Sat) 10:34 | EDIT | REPLY |  

enfi oyaji  

(返信)

こんにちは、hisaさん。
いえいえ、何度も直しながら書いてます。v-290
その時の感覚が残っているうちに完結させたいですね。
エンフィ姫は良く頑張ったと思います。
しっかり完治させて下さい。
直ったらまた行きましょうねv-8

2012/07/28 (Sat) 19:03 | EDIT | REPLY |  

Add your comment